畳の選び方

良い畳と出会うために

どの畳も素人目には同じように見えるので、実際に良い畳を選び抜くのは予想以上に難しいもの。そこで「良い畳」とは何をもって良しとするのか、畳職人ならではの厳選ポイントを紹介しよう。

大きく分けてポイントは2つ。1つは畳を敷く(使用する)場を踏まえるということ。住宅用なのか業務用なのか、木造建築なのかコンクリート建築なのか、まずは建物であったり、実際に畳を敷きこむ部屋の性格を把握することが良い畳と出会うための第1歩となる。もう1つのポイントは、畳自体の構造を知り、それぞれの部位ごとに選べる目を養うことである。

「良い畳」とは何をもって良しとするのか

畳の3要素「畳床・畳表・畳縁」で見抜く

畳は芯材(土台)となる畳床(たたみどこ)、表面をくるむゴザである畳表(たたみおもて)、畳表をしっかりと固定し、装飾も兼ねる畳縁(たたみべり)の3要素で成り立つのが一般的(中には縁の無い畳もある)。それぞれに見抜くポイントがあるので、ぜひ参考にして頂きたい。

畳床(たたみどこ)

畳の土台となる部分で、直接目に見える部分ではないが、畳床の材質や品質によって耐久性・耐熱性、断熱性、防音性、感触や味わいなどが異なってくる。

畳床(たたみどこ)
ワラ床 100%天然素材で、室内の湿度を自動調節してくれる。感触や味わいといった点でも最も優れている畳床である。天然素材だけにダニの発生が難点であるが、製作段階での乾燥処理と日ごろの手入れによって、ある程度回避できる。元来の畳が備える機能を最大限発揮できるワラ床は、畳職人が最もお薦めしたい畳床だ。
建材畳床 最大の長所は軽量であること。耐久性や断熱性、防音性、耐久性などに優れた畳床。安価であることから、現在生産される畳の多くが建材畳床となっている。とは言え、人工素材の化学床畳なので自然な湿度調節には劣り、ワラの持つ温かみのある感触や味わいを感じづらいのも確かだろう。
サンドイッチ床 ワラ床と建材畳床の長所を併せ持ったタイプで、建材畳床と並んで現在の主流となっている。

畳表(たたみおもて)

畳表とは畳床を包む表面のゴザであり、材料に藺草が使われる。畳表の良し悪しは藺草の質や経糸の種類、そして織り方によって決まる

畳表の選び方のポイント
  • 藺草の色が整っているものを選ぶ(赤みのある草が混じっているものは避ける)
  • 藺草が根元から先端まで痛みや折れがなく、しっかりとつながっているものの方が上質である
  • 経糸が綿糸なのか麻糸なのかを確認し、麻糸と綿糸を1本ずつ使ったものと麻糸を2本使ったものがある。綿糸より麻糸の方が丈夫である
  • 麻の中にも種類があり、マニラ麻、大麻、ちょ麻、黄麻(ジュート)などがあるが、その中で最も肉厚なマニラ麻は高級品に用いられる
  • 経糸は硬く、振度が少ないものを選ぶ
  • 表面に触れて、厚みがあるものほど高品質である

畳縁(たたみべり)

畳縁とは畳の縁についている装飾と補強を兼ねたもの。主な材質に綿、PP(ポリプロピレン)、テトロンなどがある。高級畳用に、昔ながらの藍染めの麻を使ったものや床の間用に絹を使ったものもある。

有職故実によると、かつて畳縁によって地位や身分を規制する使用規定があったそうだ。これは、仏教の伝来とともに朝鮮半島から持ち込まれた美術品や装飾品の中に、繧繝錦(うんげんにしき)という高級織物があり、その織物を御所の畳の縁に使ったことに端を発している。現在でも、このような歴史的背景から、畳縁によってその畳の質を表すケースもあり、神社仏閣の畳、御茶室畳ではそのような慣わしに従っている。 

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