畳について

畳は我が国で生まれ、特有の風土の中で育まれた類稀な敷物である。その起源は古く、1000年以上も前の平安時代にまで遡り、その頃から私たちの住生活に欠かすことのできない敷物であった。
畳の材料となるのは、藁(わら)と藺草(いぐさ)、それと少量の布と紙。これだけ聞くと、非常に耐久性の低い床材のように思えるが、決してそうではない。むしろ半永久的に使うことのできる優秀な床材なのだ。その秘密は「畳床・畳表・畳縁」という畳を形造る3つの部位にある。それぞれを巧みに組み合わせることで、耐久性の低い素材が強靭な「畳」へと生まれ変わるのである。
和をつみ重ねる敷物「畳」
では和をつみ重ねるとはどういうことか
元来、畳は「たたむもの」を意味し、幾重にも折り返して重ねるものであった。つまり、素材はともあれ「折りたたむもの=敷物」すべてを畳と呼んでいたのである。それが次第に単なる敷物としてだけでなく、貴族階級の寝殿造りにおける寝具の一部として、座具の置き畳として使用されるようになる。かつて、畳は使用する者の階級によって厚さや縁の紋様を定めていたそうだ。
やがて鎌倉時代に生まれ桃山時代に完成する「書院造り」において、畳は部屋全体に敷きつめられるようになっていく。さらに時代が江戸に遷ると、茶室建築などが誕生し、畳は一般庶民にとっても欠かせないものとなっていく。
単に折りたたまれ重ねるだけの敷物が、時代をつみ重ねながら発展していく─。
このように畳は、いにしえの平安に生まれ、貴族の象徴として発展を遂げ、やがて庶民の生活具として定着していったのである。
